ハンブルグだより 文献学の方法と問題1

今学期より、ドイツ、ハンブルグ大学に滞在しています。

ドイツでの研究活動の報告をかね、現在、私が従事しているサンスクリット文献学の位置と意義について考えてみたいと思います。

私たちの研究分野、人文研究の中では、文化遺産としての文献をアーカイブする「仕事」に、比較的予算がおりやすいことが相まって、現在、微小ながらも文献学の地位が高まってきているように見えます。こうした仕事は、人文研究の中でも、一般の人(要は役所の人間のことですが)に結果がみえやすく、またアーカイブされたものは「財産(property)」として認識されやすいため、人文研究が衰退していく中、多くの機関でこうしたアーカイブ作業に着手し、予算を獲得しようとする動きが、世界的に広まってきているようです。

ハンブルグ大学のアジア・アフリカ研究所においても、各部門において写本研究のプロジェクトが進められており、プロジェクトの一環として、インド学の分野においても写本学の講座が開かれています。

この「ハンブルグだより」では、ドイツで学んでいるヨーロッパの文献学を、東アジアの文献学との比較から紹介しつつ、広く「文献学」の意義を議論するための話題を提供していきたいと考えています。

山野 智恵

Say Something

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.