ハンブルグだより 日本週間

今年は日独交流150周年ということで、日本とドイツの展望を考えるシンポジウムが大学で開催されています。日本学科主催のイベントですが、私もドイツで勉強している事ですし、日本とドイツの関係を学んでおこうと思い立ち、また立食パーティも魅惑的だったので、参加してみました。

今日の講演者は、die Zeit紙の政治記者、編集長、共同社主を務めたTheo Sommer氏。近代から現代にかけての日独関係史についての講演でした。日本の近代国家の形成にドイツが大きな役割を果たした事はよく知られていますが、本日の講演は、日本国憲法の成立過程や、第二次世界大戦中の日独同盟の内情など、日本人にとっても勉強になるトリビアな内容がいろいろと詰め込められていました。

Theo Sommer氏は哲学博士号の取得者で、ハンブルグ大学やハーバード大学で教鞭をとっていたこともあり、講演の内容は大学の講義のそれと変わらない質のものでした。社会の一戦で活躍する人たちが、こうした講義を大学で提供できるということは、日本ではまず驚くべき事として受けとめられるのではないでしょうか(企業人が大学でビジネスを教えている事はありますが、、、、)。一方、ドイツではこうしたことがそれほど驚くに値しないようです。ここで暮し始めて気がついたことは、官庁や会社の中に博士号取得者が一定の割合でいることです。

自分の専門に直結した仕事でなくとも、博士号取得の過程において得られる知見は、社会に大いに還元できるはず。社会が有効に博士号取得者を活用できるモデルを日本の政府も考えるべきです。

講演から話がそれてしまいましたが、本日の講演の最後に、氏がドイツとの比較から、現代日本の政治・経済の特徴を三点、批判的にあげていたのが印象的でした。

第一、首相がすぐに代わり、大きな業績をあげる人が少ない。

第二、隣国への戦争責任が果たされていない。アメリカとの同盟に頼り、隣国との連帯関係が形成されていない。

第三、世界最大の財政赤字国家。

どの問題も日本の社会構造を根本から変革していかないと解決できないようなものばかり。ドイツで語られている日本の未来への展望が、日本にまで届けばいいのですが。

山野 智恵

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